越後上布 織り子・高村智美さん


越後上布を織ることができるのは市内でも15人〜20人程度

この講習は秋から冬に毎年100日間ずつ、5年間続けて受けてやっと卒業です。私は今年、4年目だったのであと1年です。

そもそも、いま上布が織れるのは15人〜20人くらいだそうなんです。機屋さん自体が10軒もないんですよ。私がいる会社でも、上布を織っているのは私と、もう一人、自宅で織っている「出機(でばた)」と呼ばれる人がいるだけです。ほかの方は高機で絹を織ったりしています。

越後上布は麻の一種で「からむし」と呼ばれる植物の茎を裂いて糸にして織るんですが、その糸を作るのも大変な作業です。これも今年になって見学をさせてもらって、体験もさせてもらったんですが、織るのとはまた違った難しさでした。爪で細く裂いていって糸にするんですが、あれもまた根気のいる作業ですよね。1反分の糸ができるまでに半年から1年かかるそうです。

先ほどもいいましたが一反は13メートルですが、1日で織れるのは10数センチです。1年に1反というのペースなので、いま4本目を織っているところです。織るスピードは柄の難しさによって変わってきますし、糸にもよります。いま織っている糸はどうしても端が切れてしまって、なかなか進みません。でも、早ければいいというものでもないので、「早くて丁寧にできたら」というのを目指しています。

越後上布は材料費が高いから、最初の1反目から練習ではなくて製品を手がけるんです。だから1反目を織る時は、本当に私ので大丈夫なのかなという気持ちは少しありました。その時は縞柄を織ったんですが、時間もかかって、12月から始めて7月くらいまで織っていました。

本当に細かい作業なんですが、やっていて楽しいです。

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