越後上布 織り子・高村智美さん
ユネスコの世界遺産にもなっている越後上布の講習を受けて4年目です
林宗平工房 織り子 高村智美さん
2003年にIターン移住
新潟市→南魚沼
(プロフィール)
高村智美(たかむらともみ・高は実際ははしごだか)。新潟県新潟市出身。知人の紹介から南魚沼市出身のご主人と知り合い、2003年、結婚を機に南魚沼市に移住。2013年、越後上布技術保存協会が行う伝承者養成講習会「百日講習」のことを知り、受講。毎年、秋から冬まで100日間の講習を受けて5年で卒業というこの講習会も現在4年目が終了。昔から南魚沼の特産であった越後上布の伝統技術を受け継ぐために日々、学ぶ女性のひとりです。
越後上布をまったく知らないところから、技術者を育てるための講習に参加
結婚を機に南魚沼市に来たのが2003年です。出身は新潟市ですが、小学校のころに六日町にスキーに来た事がありました。そのころはまさか自分がこっちに住むとは思ってもいませんでした。新潟市はそれほど雪は降らないし、寒さもそれほどではないので、こちらに来てみると、寒いし雪は降るし雪壁はすごいし、本当にびっくりしましたね。
越後上布の講習会を受けたのは4年前からです。実は、越後上布(えちごじょうふ)についてはまったく知らずに始めました。こんなことを言ったらお恥ずかしいんですが、上布を触ったことも無かったですし、和服に特別な興味があった訳でもなくて。たまたま、この講習を受けていた友達がいて、「空きがあるよ」と言われて知ったんです。
最初に講師の高波先生が織っているところを見せていただけるということになって、そこではじめて越後上布に触れました。「寒い中織る仕事なんだな」というのが第一印象でした。
もともと、細かい仕事が好きというのもあったんですが、長い目で見て物を作るのは楽しそうだなと思ったので、機屋(はたや)の林宗平工房に所属して、講習を受けることにしたんです。
市民会館のところに「ユネスコ無形文化遺産 越後上布の里」という大きい看板があるのも、講習を受けるようになってから「こんなところに看板がある」と気づいたくらいです。
越後上布といえば雪さらしが有名ですけど、それも見たことがなかったんです(雪さらしは、織り上がった麻布を3月ごろの天気が良い時に雪上に晒すことで漂白するという昔から雪国に伝わる伝統の技)。いままでタイミングがあわなかったんですが、先日、体験会があってやっと見ることができました。織り始めて4年目にして初めてです(笑)。真っ白な雪の上に晒すのは、本当にきれいですよね。でも、反物は1反で13メートルありますから、濡れているとかなり重いんです。そっとおろさないと端っこにシワができてしまったり、けっこう難しいものなんだなと知りました。
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