雪国の文化を感じられる「鈴木牧之記念館」

越後上布に関連する資料も展示。
この地で古くから織られていた「越後上布(えちごじょうふ)」は、国の重要無形文化財。さらに、近年「和食」が認定されたことで話題になったユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

もちろん『北越雪譜』にも次のように登場します。

「雪中に糸となし、雪中に織り、雪水に洒ぎ、雪上に晒す。雪ありて縮あり。されば越後縮は雪と人と気力相半ばして名産の名あり。魚沼郡の雪は縮の親といふべし」

越後上布は、麻を裂いてつくった糸で作られた織物。正倉院にもこの地域の麻布である「越布」が残されているそうです。雪に覆われた南魚沼では、冬の間の仕事として女性たちが機織りをしてきました。

ちなみに、国の重要無形文化財である越後上布には厳しい条件があります。

・すべて苧麻(ちょま)を手績み(てうみ)した糸を使っていること
・絣模様を付ける場合は、手くびりによること
・居座機で織ること
・しぼ取りは湯もみ、足踏みによること
・さらしは雪晒しによること

鈴木牧之記念館では、その越後上布の製作工程も写真パネルやジオラマ、実際の糸などを使ってわかりやすく展示しています。

塩沢駅から徒歩10分。近くにある「牧之通り」と名づけられた通りは、冬の降雪時にも人々が歩く張り出したアーケードのような「がんぎ」を再現し、電線もない美しい町並みになっています。のんびりと散策をしながら雪国の文化に触れられます。


鈴木牧之記念館
住所/新潟県南魚沼市塩沢1112-2
電話/ 025-782-9860(代)
開館/9:00〜16:30
休館日/火曜日(祝日の場合翌日)、年末年始 ※ただし8月、10月は無休
観覧料/大人500円、小中高生250円

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